朝が来た
日が昇る
しかし太陽は
私たちを暖かく
包みはしなかった
部屋の中は 死体の山となっていた
「う......嘘でしょ........」
昨日まで、あんなにも楽しく酒を飲んで、あんなにも笑っていたのに
今は誰も 笑い返してはくれなかった。
どうやら後ろから隠れていた天人が、私が相手をしていたやつらのおよそ3倍の数にして
この部屋に入り込み、そして.....みんなを殺していった.......。
「うっ.............」
声がした。かすかに聞き落としてしまいそうな弱々しい声が....。だけど私には誰の声かはすぐに分かった
「大将!!!!」
死体の山の中から大将を見つけた。
「....だっ大丈夫か?...怪我は無いか?」
こんなにも自分がボロボロで死にそうだっていうのにこの人は.....
「大将!!!もう話さないで!!傷口が「いいんだ...おれぁもうダメだ。」
「!!!な、なんでそんなこというの!!」
「見ればわかるだろ.......」
大将の腹には
無数の鋭い刀が刺さっていた。
「!!!......うっ....たいしょうぅぅ....ひっく....わっわたし「泣くなぁ....俺はなぁ、最後の最後って時に
お前の泣き顔だけは見たくねぇ...。」
大将はそういうが、涙は止まってはくれない。大粒の涙が零れ落ちる。
「でも、でもぉ....ひっく.....止まらないんだよぉ..「なら...泣くのは今日が最後だ....もう誰にも泣き顔を
見.....グハッッ!!」大将の口から大量の血が吹き出る。
「大将!!もう話さないで!!それ以上話したら!!」
もう、叫びのような声だった。
「いっ、いや。話させてくれ......誰にも泣き顔を見せるなよぉ....泣くのはうれしい時だけだ。
わかったな....「わかった...わかったからもう」
「なら、笑ってくれ。最後にはなぁ、笑顔がみてぇんだよ。」
私は、悲しかった。
けど
笑ってみせた
すると、大将も笑ってくれた
笑って
この世の亡き人になった。
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