屋根の上に登ったら アイツがないていて


      「泣いたらいけないっていわれたのになぁ......ゴメン大将。人前じゃないから許して。」って言ってた。

              こいつのこんなところ初めて見た。

              なんか、自分の中の何かしらねぇが、もやもやしてきた。

              そう思っていたら、言葉が先に出ちまった。

               「大将って誰だオイ。」    「!!!!!!」
             おっ!珍しいなぁ、オレがいたことに気づかねぇなんて
                相当、きつかったか........。
          
            「アンタ「銀時だっていってんだろ〜。紅の双孤ちゃんは名前も覚えれねーのか?」」
           いつもいってんのによー。まさか、本当に覚えてねーのか?悲しいなぁおい。
      「...............。」いつもなら、「おちょくってんのか。殺すぞ。」とか言ってくるのによぉ。


                   重症だなぁコノヤロー。

      でもおれは、あえて気づいてないように「おっ!!初めて口で勝った。ここ座っていいか?」って
      わざわざ双孤の隣を選んだ。そしたら、「別に。」だってよ。俺はかまわず「サンキュー」って言って座った。
      
      「アン「銀時」」こいつ、たぶらかしてんのかコノヤロー。
       また言ってきても名前で呼ばしてやる。かかってこいコノヤロー
      
      「銀時は、何時からここにいたの?」こいつ、話が進まねぇと観念したな。
      「んー?双孤が泣いているところから。」あぁ、全部聞かしてもらった。
       「で、大将って誰?」「教えない。」即答かよオイ。
   「銀さん、質問に答えたのに、双孤だけ答えねぇなんてずりぃぞ、コノヤロー。」のってくれっかなぁこんな屁理屈。
     「わかった。教える。」のってきたよコイツ。「おっ。今日は意外に素直だなぁ。」
       「うるさい。やめるよ?」「ヤダ。」こっちも即答だコノヤロー。
    



       「.....大将っていうのは、私にとって最初で最後の仲間のなかで頭だった人でもあり、
        お父さんみたいな大切な人だった。でもある日。私がこうやって屋根の上で空を見て
        いたら、前から天人の軍団がやってきたの。全滅させたのに、まだ残っていたらしくって
        、私は前から攻めてくる天人を倒していた。で、全滅させて部屋に戻ったら..........



みんなの死体が山になってた。

         みんなを殺した天人はそのままズラかって逃げていった。ってとこ。これで十分?」
 
 
                   こいつ......だからこんなにも.....。

        「.......で、なんで面つけてんだ?」なんとく分かるけどよぉ。
        「私は、1つしか質問してないからもう教えない。もう終わり。早く寝な。」って言ってるけど、


                お前.....そんな面つけてても分かるような大泣きしてたら




                        ほっとけねーだろチクショウ。

       俺はそのまま「あいにく、女が泣いてるってーのに置いてく人間にはできてないんでねぇ。」
       って言ったらあいつ、すっげぇびっくりしてた。
    
                   自分が泣いてんのに気づかなかったのかよ。



                       なんだろう


                 すっげぇ視線があった。

                        面をつけててわからねぇはずなのにわかった。

                俺を食い入るように見ている。



              俺は、誰にも内緒にしていた事を言った。
      「お前よぉ、死んだやつらの墓。作ってくれてんだろ?」  「え?」
       人にバレてねぇと思ってたんだなぁ。そしたら、「はぁ......なんなのよ、もう。一人にさせてよ。殺すよ。」
       いきなり、強気になりやがった。




                 すっげぇ我慢してんなぁ。



                    なんかこいつ、俺に似てる。


       「殺せるなら、殺してみろ。オレは今、真剣だ。」俺はもう遊び半分でお前とは話てねぇ。
   「質問があるんだけど」「ヤダ。」「じゃあ、双孤を一人にさせねぇ。お前とずっとここにいてやるからな。コノヤロー。」
       「..........。」だまったってこたぁ、いいってことだなぁ。
   「じゃあ、なんで面なんざつけてんだ?」「殺す奴にわざわざ顔なんて見せなくてもいいと思ったから。」嘘だな。
       「.....じゃあ、何で名前をいわねぇんだ?」「いっても別に変わらないから。」これもだ。
       「....じゃあ、なんで墓をつくってんだ?」「ただかわいそうと思ったから。」これもかよ。
        
  



             「じゃあ、なんで.......仲間を作ろうとしない。」




                  「!?....それは........................邪魔だから。」

       嘘だ。俺にはわからねぇってか?確かに他の奴らのことだったらわからねぇ。
       けどよ。生憎、お前と俺は、似てるから。わかっちまうんだよ。

              俺も仲間がみんな一気にいなくなってたら、こいつみたいになってたかもしれねぇ。



              「オイ。全部嘘ついてんじゃねーよ。コノヤロー。」  「!!!!!!!」



              だから、なおさらほかっておけねぇんだよ。